子どもをバイリンガルに育てる方法とは?セミリンガルのリスクも解説
子どもをバイリンガルに育てるためには、お子さまが楽しく第二言語を習得できる工夫が必要です。この記事では、お子さまをバイリンガルに育てるメリットや、楽しく英語を学ぶコツなどについて解説します。セミリンガルに不安を持つおうちの方に向けた内容にも触れています。お子さまをバイリンガルに育てたいおうちの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
バイリンガルとは
バイリンガルとはどのようなものか、定義と世界・日本それぞれの割合について解説します。
バイリンガルの定義は複数ある
専門家によって、バイリンガルの定義は異なります。一般的には、第二言語でも美しい発音で流暢に話し、理解できる方をバイリンガルと呼ぶ場合が多いようです。日本では、特に日本語と英語を自在に扱える方を、バイリンガルと呼ぶ傾向にあります。なお、バイリンガルは「二言語を自由に話す」「二言語併用の」という意味です。
バイリンガルの割合
新聞を読むことができ、投書もできるというレベルで二言語を扱える人は、世界にわずか数パーセントしかいないといわれます。二言語以上を話せる人の割合は、世界で60パーセント、日本では10パーセント程と言われています。
お子さまをバイリンガルに育てるメリット
お子さまをバイリンガルに育てたいと考えるおうちの方もいるでしょう。バイリンガルのメリットを解説します。
グローバル市場で有利になる
国際的な競争力を得るために、バイリンガルな人材を求める企業は多くあります。バイリンガルに育てることで、お子さまがグローバルな視点を持つ企業に就職する道が開けるでしょう。ただし、二言語を話せることが、就職を有利にするわけではありません。
グローバル市場で活躍するためには、ビジネスシーンに適したコミュニケーション力が重要です。そのためには、言語が使われる文化やビジネス慣習について、深く理解する必要があります。バイリンガルに育てることで二言語の学習を通した異文化への理解が深まり、適切なコミュニケーションを取れる機会が広がります。
認知能力が向上する
複数の言語を使用すると、脳の活性化につながります。複数の言語を使いこなすためには、脳が瞬時に言語を切り替え、管理する必要があるからです。複雑な概念の把握や問題解決を解決する能力、柔軟な思考力の向上にもつながると考えられています。また、日常的に言語を使い分けることで、複数のタスクを処理する能力の強化も期待できます。
多様性を育める
二言語を学ぶなかで、異文化や異言語を柔軟に受け入れる姿勢が育めます。日常で異なる言語や文化に触れる機会が増えると、他者との違いを尊重する意識が高まります。考え方の違いを知ることで、「こういう世界もある」と肌で感じられ、視野が広がるでしょう。
共感性が育つ
バイリンガルに育てるなかで、お子さまは、言語が違えば異なる視点や経験があることを学びます。異なる文化背景を理解する機会が増えることで、他者の気持ちや状況に対する共感力、相手の気持ちを察する能力、そして柔軟な思考の土台が養われます。また、複数の言語を使い分けるなかで、場面に応じて自分の感情や信念の表現を選ぶ力も自然と身に付くでしょう。
お子さまをバイリンガルに育てるデメリット
二言語を習得しようとして、どちらも十分に話せないセミリンガル(ダブルリミテッド)になるのではないかと、心配するおうちの方もいるでしょう。セミリンガルの主な要因は、バイリンガル教育の計画が曖昧であることや、どちらかの言語に触れる機会が極端に偏ることにあります。
セミリンガルの状態が続くと、複雑な考えや感情を表現することが難しくなり、年齢相応の思考力やコミュニケーション能力が身に付きにくくなるほか、自己肯定感の低下や学習面への影響も懸念されます。
一方、幼児期から英語に取り組んでも、日本語の習得が遅れるわけではありません。東京大学大学院・開一夫教授をはじめとする専門家も、早期英語教育が日本語に悪影響を与えるという懸念を否定しています。大切なのは、英語と日本語のどちらにもバランスよく触れる環境を整えることです。具体的な対策については、後述します。
お子さまのセミリンガルを防ぐ対策
セミリンガルを防ぐために、二言語をバランスよく使う環境を整えたり、母語の基礎を固めたりする取り組みが大切です。ここでは、3つの対策を解説します。
バランスよく使える環境を整える
バランスよく二言語を使うためには、言語環境を明確に区別することが大切です。たとえば、英会話教室のように英語を習う時間は英語、日常生活の会話は日本語といった使い分けをし、どちらも同等に使える環境を整えましょう。
楽しく学べる環境を整える
英語と日本語の両方を楽しく学べる環境にいると、お子さまは言語学習がストレスにならず、自然に両方の言語に興味を持ちます。絵本やゲーム、キャラクターなどを活用し、お子さまが興味をもって二言語に触れる機会を整えましょう。
母語の基礎を固める
第二言語のスムーズな習得には、母語の基礎固めが大切です。母語の基礎は、5歳頃にできあがるといわれています。母語でのコミュニケーションや絵本の読み聞かせ、会話などを通じて語彙や文法が発達することで、年齢相応の国語力が身に付くでしょう。10歳までに母語の基礎を築ければ、その後の思考力や言語習得によい影響を与えます。
子どもをバイリンガルにする際によくある質問
お子さまをバイリンガルにしたいと考えるおうちの方から頻出する2つの質問について、解説します。疑問の解決に役立ててください。
コードスイッチングになるか
コードスイッチングは、バイリンガルや多言語話者が、会話のなかで複数の言語を切り替える現象です。言語を学習し始めたばかりの子どもが二言語を学ぶと、混乱を招き、正しい文法や発音がわからなくなるのではないかと、不安になる方もいます。
アメリカ言語聴覚協会は、第二言語習得の過程におけるコードスイッチングは、正常な現象としています。コードスイッチングは、言語発達の遅れや言語障害の兆候を示すとは限りません。混乱ではなく、子どもが自主的に二言語を切り替えているとの見方もあります。
日本語の習得が遅れないか
日本語の習得に影響があるか否かは、子どもの育つ環境によるところが大きいといえます。海外で日本人と外国人の保護者のもとで育つ場合、日本語よりも英語に触れる機会が多く、日本語の回路が育ちにくいと考えられます。一方、日本で日本人の保護者と過ごす場合、おうち英語を取り入れたり、英会話のレッスンを受けたりしても日本語に触れる機会が失われるわけではありません。
日本語に触れる量が少ないことで、日本語のみの環境で育つ子どもよりも発達のペースがゆっくりに見える時期もありますが、英語を早期に学習したから日本語の習得が遅れるというわけでもありません。
お子さまをバイリンガルに育てるコツ
お子さまをバイリンガルに育てるためには、英語が身近にある環境を整え、お子さまとおうちの方が幼児期から一緒に英語を楽しむことが大切です。おうちの方ができる3つのコツを解説します。
幼児期から始める
幼児期から英語に触れることで「英語は学ぶものではなく、当たり前にあるもの」という認識が育ちやすくなります。1歳までの子どもの脳には、どの言語も聞き取れる回路が存在するため、0歳から英語に親しむことができます。早い時期に英語の音に慣れておくことで、言語習得もよりスムーズになるでしょう。
英語が身近な環境を整える
幼児期から英語に日常的に触れることは、効果的な言語習得に不可欠とされています。日常生活のなかで自然に英語に触れることで、無理なく二言語を習得できます。多くの英語をインプットし、「英語は身近にあるもの」という認識を日常的に育てていくことが大切です。
おうちの方も一緒に楽しむ
お子さまに英語を聞かせたり、読み聞かせをしたりする際は、おうちの方も一緒に楽しむ姿勢が大切です。お子さまは、おうちの方が楽しそうにしているものに、興味を持ちます。楽しんでいる姿を見せることで、英語学習のモチベーションが高まる効果も期待できます。
ネイティブの発音だけを聞かせた方がよいのではないかと悩むかもしれませんが、幼児期の子どもは自然にネイティブの発音を吸収します。おうちの方が、自身の発音に気おくれする必要はありません。
まとめ
お子さまをバイリンガルに育てると、語学力はもとより、グローバルな視点やコミュニケーション能力、多様性への理解など、将来にわたって役立つ力が育まれます。セミリンガルへの不安をもつおうちの方もいますが、英語を早期に始めることが日本語の習得を妨げるわけではありません。幼児期から日常的に英語が身近にある環境を整え、おうちの方も一緒に楽しみながら取り組みましょう。
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出典一覧
・参考:英語教育のプロが語る、幼児期の英語教育に「楽しい」が必要不可欠な理由/幼児期に英語を学ぶこと①|SanrioTimes
・参考:子どもの早期英語教育は「日本語に悪影響ない?」、親世代の不安に『シナぷしゅ』監修の東大大学院教授が見解|eltha(エルザ)
・参考:Multilingual Service Delivery in Audiology and Speech-Language Pathology
・出典:会話できる言語数の国際比較(2017年)
