赤ちゃん言葉の喃語(なんご)とは?言葉の発達の流れも分かりやすく解説
喃語(なんご)とは、赤ちゃんが言葉を習得するステップで発する、意味を持たない音のことです。生後5~6ヶ月頃になると、少しずつ喃語が出るようになり、声を出す楽しさを感じながら発声の練習をしていきます。
この記事では、赤ちゃん言葉の喃語について詳しく解説します。言葉が発達する流れとともに、喃語が見られない場合の原因や対処法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次
喃語(なんご)とは
喃語(なんご)とは、赤ちゃんが発する特に意味のない言葉のことです。赤ちゃんは、意味を持つ言葉を覚える過程で、まず喃語を発します。喃語は母音と子音が組み合わさった発音であり、たとえば「だだだ」や「あぶ」のような言葉です。
最初は短い音を発しますが、少しずつ長い言葉になっていきます。たとえば、最初は「あう」と発していても、次第に「んまんま」や「ばうばうばうばうばう」のような長い喃語を発し始めます。
喃語には意味がある?
喃語そのものには特定の意味はありません。赤ちゃんは言葉を話せないうちから、感情を表現する手段として使うことがよくあります。とはいえ、単に音を出すことを楽しんでいる場合もあり、すべてが感情を伝える目的で発せられているわけではありません。
喃語を発することで、口や舌、声帯、横隔膜などの使い方を自然と習得していきます。また、周囲の反応を感じ取りながら発声する機会が増え、言葉を発する意欲も高まります。赤ちゃんにとって喃語は、将来の言葉の発達につながる大切な伝達手段といえるでしょう。
喃語を話す期間は?
喃語を話す時期はいつ頃なのでしょうか。ここでは、具体的な期間について解説します。
月齢5~6ヶ月頃
赤ちゃんが喃語を発し始める時期は、一般的に月齢5~6ヶ月前後です。「あー」のように母音だけの状態から始まり、少しずつ「ばばば」のように子音が混ざってきます。喃語を話し始める時期には個人差があり、生後6ヶ月頃に喃語を発していなくても心配はありません。
※参考:
乳幼児健康診査事業実践ガイド|国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター
月齢7~9ヶ月頃
生後7~9ヶ月頃になると、喃語のバリエーションが増え、発音もより明確になっていきます。「あうあう」「ばぶばぶ」など、異なる音を組み合わせて発声する場面も多くなるでしょう。
さらに、9ヶ月頃には喃語だけでなく、身振りや手振りを使って意思を伝えようとする様子も増えてきます。声と動作を組み合わせながら周囲と関わることで、赤ちゃんの伝える能力はさらに発達していくでしょう。
※参考:
乳幼児健康診査事業実践ガイド|国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター
1歳~1歳半頃
一般的に、喃語の時期は1歳頃までとされ、この頃から「わんわん」「まんま」など意味のある言葉を話し始めます。言葉の理解も進み「ちょうだい」や「おいで」といった大人の簡単な指示に反応する場面も増えてくるでしょう。
また、身近な物の名前を覚えたり、自分の気持ちを言葉で表そうとしたりする場面が多くなるケースもあります。言葉の発達には個人差がありますが、少しずつ表現の幅が広がる時期といえるでしょう。
※参考:
乳幼児健康診査事業実践ガイド|国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター
「クーイング」「発語」との違い
赤ちゃんの言葉について理解するには「クーイング」や「発語」について知ることも重要です。以下でそれぞれの特徴や違いについて解説します。
クーイング
クーイングとは、赤ちゃんが生後間もない頃に発する特徴的な音のことです。「あー」「うー」など、母音が中心で唇や舌を使わずに発声します。一般的には、生後2~3ヶ月頃から見られ、声を出す感覚を楽しんでいることが多いでしょう。
一方、生後5~6ヶ月頃になると喃語が始まります。子音と母音が組み合わさり「ぶぶぶ」「ままま」といった、より複雑な音を発することが特徴です。まずクーイングで声を出す練習を重ね、その後、喃語へと移行しながら言葉の発達させていきます。
※参考:
発語
発語とは、意味を持つ言葉を口にすることです。たとえば、お子さまが発する「わんわん」「ぶーぶ」「まんま」などは、発語に該当します。個人差はあるものの、発語が始まる一般的な時期は9ヶ月頃からです。なお、赤ちゃんが初めて言葉を発することも発語と表現します。
※参考:
赤ちゃんにおける言葉の発達の流れ
ここでは、赤ちゃんの言葉がどのような流れで発達するか解説します。
1.泣きながら声をあげる
生まれてから間もない赤ちゃんは言葉を話せません。月齢0~2ヶ月頃は泣きながら声をあげて「眠い」「お腹が空いた」「気持ち悪い」などの自分の状態を表して周囲に伝えます。そのため、この頃は泣くことが周囲と関わる唯一の方法です。
楽しさや悲しさなどの感情を伝える目的ではなく、不快感を表すためだけに泣いています。泣き出したら何らかの問題が発生しているため、それを発見して解決してあげる必要があります。
※参考:
幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説|内閣府 文部科学省 厚生労働省
乳幼児健康診査事業実践ガイド|国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター
2.クーイング
すでに触れたとおり、クーイングとは、赤ちゃんが母音のみを使って発声することを指します。生後2~3ヶ月頃になると見られ「あー」「うー」などの柔らかい音を出し始めるのが特徴です。
この発声は、言葉を話すための準備段階であり、口や喉の機能が発達している証拠といえます。また、赤ちゃんが心地よさを感じているときに多く見られ、周囲とのやり取りのきっかけとなる重要な伝達手段のひとつです。
※参考:
幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説|内閣府 文部科学省 厚生労働省
乳幼児健康診査事業実践ガイド|国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター
3.喃語
唇や舌を使って発する喃語は、月齢5~6ヶ月頃から始まります。赤ちゃんの骨格が成長し、発声に関わる器官がさまざまな音を出せるように育ってくると、喃語を話せるようになります。「ぶぶぶ」「あむあむ」など子音と母音が連続する音が喃語です。
8〜9ヶ月頃になると、より明確な発音に近づきます。肺から出る空気や音の量をコントロールできる能力が向上するためです。喃語が活発になると、意味を持つ言葉を発する可能性も高くなります。
※参考:
幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説|内閣府 文部科学省 厚生労働省
乳幼児健康診査事業実践ガイド|国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター
4.指差し
喃語が出るようになってから6ヶ月が経った頃には、口から発する音だけでなく、指差し、表情、身振り手振りなども交えて自分の気持ちを伝えられるようになります。徐々に指差しの頻度が増え、周りの話し声や音を真似することも多くなります。
とはいえ、言葉の意味を理解して真似しているわけではありません。周囲に対する興味の表れであり、真似をしながら少しずつ意味を理解していきます。
※参考:
幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説|内閣府 文部科学省 厚生労働省
乳幼児健康診査事業実践ガイド|国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター
5.一語文・二語文
1歳頃になると意味のある単語を発するようになり「わんわん」「まんま」「ぶーぶ」などの一語文を使い始めます。最初は単語だけの発話が中心ですが、成長とともに言葉を組み合わせる力が育ち「ママ、だっこ」「わんわん、いた」などの二語文へと発展していきます。
二語文を話し始める時期には個人差があるものの、多くの子どもは2歳頃までに使い始めます。言葉の発達には幅があるため、周囲と比べるのではなく、お子さまのペースを大切にしながら温かく見守ることが大切です。
※参考:
幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説|内閣府 文部科学省 厚生労働省
乳幼児健康診査事業実践ガイド|国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター
なかなか喃語が出ない原因
喃語が出ない原因は、お子さまによっても異なります。たとえば、骨格や声門の開閉機能の発達が遅かったり、聴覚に何らかの問題があったりし、喃語が出ない場合もあります。また、自分と他人を区別できておらず、周囲と関わりたいという意欲がまだ育っていないため、声を出すことへの関心が低い場合もあるでしょう。
赤ちゃんの成長ペースはそれぞれ異なり、喃語が出る時期は同じではありません。赤ちゃんによっては1歳を過ぎてから喃語が出始める例もあり、過剰に心配しなくても大丈夫です。どうしても不安なら、かかりつけの小児科に相談してみましょう。
※参考:
幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説|内閣府 文部科学省 厚生労働省
乳幼児健康診査事業実践ガイド|国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター
喃語が出ないときの対処法
喃語が出ないときはどうすればよいのでしょうか。ここでは、具体的な対処法について解説します。
赤ちゃんの声に反応する
発声を引き出すには、周囲の関わりが大切です。赤ちゃんが少しでも音を発したら、笑顔で応えたり、優しく相づちを打ったりすると、自然と喃語が増えていきます。
意味のない音でも、周囲の声や自分の声を聞く機会が多いほど、発声の仕組みを学びやすくなります。また、自分の声に対して反応があることで「声を出すと楽しい!」と感じ、積極的に関わろうとする意欲につながるでしょう。
話しかける回数を増やす
喃語を発しやすくするには、大人から話しかける回数を増やし、赤ちゃんがさまざまな言葉を聞く機会を増やすことが重要です。発声したら必ず相づちを打ちましょう。特に反応しなくても、耳に届いていればその後の会話に役立ちます。
また、話しかける際には口の動きがよく見えるようにし、ゆっくりはっきり話しかけると効果的です。
赤ちゃんを笑わせる
赤ちゃんから喃語を引き出すには、笑わせることもおすすめです。「キャッキャッ」「ハッハッ」と声をあげて笑えば、声を出す練習になります。笑い声を多く出すと体の成長を促進でき、喃語を発するための準備につながります。
たとえば、スキンシップを多くとったり「いないいないばあ」をしたりするなど、赤ちゃんが喜びそうなアクションを頻繁に取り入れるとよいでしょう。
絵本を読み聞かせる
発声を促すには、絵本の読み聞かせも有効です。絵本を読み聞かせると赤ちゃんがさまざまな音や言葉に触れられ、言語力が向上します。絵本に出てくる言葉の意味を理解できなくても、多くの言葉を聞くことは言語の発達にプラスの影響を与えられます。
0歳児に絵本を読み聞かせる際は、内容が簡単で色鮮やかな絵本がおすすめです。お子さまの顔を見ながらゆっくり話すように心がけましょう。
心配しすぎず見守る
言葉の発達は個人差が大きいため、一般的とされる月齢で必ず喃語が始まるとは限りません。たとえば、1歳頃まで音を発していなくても、突然発語するケースもあります。お子さまに対して積極的に声をかければ耳に届くため、そのうち自ら音を発する可能性が高いです。
過度に心配せず、お子さまのペースを大事にして成長を見守りましょう。不安がある場合は、小児科や保健所などで相談すると状況に応じたアドバイスをもらえます。
お子さまの発音に関する相談場所
お子さまの発音については、さまざまな場所に相談が可能です。以下で詳しく解説します。
小児科
小児科は病気や怪我をしたときの診察や治療だけでなく、お子さまの発達に関する悩みの相談にも対応しています。小児科に相談すれば、より詳しい対応が可能な専門機関を紹介してもらえる可能性もあります。小児科の医師は子どもの特徴をよく理解しているため、発音に関しても適切なアドバイスが可能です。
保健所
保健所は、地域住民の健康をサポートするための行政窓口です。疾病の予防や衛生の向上などを目的とし、医師、保健師、精神保健福祉相談員などが所属しています。近年は、子育てに関する相談に対応する担当窓口が設置されている場合も多いです。発音に関しても相談できるため、ぜひ利用してみてください。
乳幼児健康診査
乳幼児健康診査は、各市区町村の保健センターが実施している健康診査です。赤ちゃんの病気の早期発見や予防に取り組むだけでなく、発達状態の確認も行っています。乳幼児健康診査を受ける際は、子育てに関する不安や疑問について、小児科の医師や保健師などの専門家にも相談可能です。
地域子育て支援センター
地域子育て支援センターは、行政や自治体が主体となってそれぞれの地域に設置されています。親子のための施設であり、子育てに関する相談や交流ができます。さまざまなイベントやセミナーも多く開催されていて気軽に利用可能です。基本的に無料で利用できるため、お子さまの発音に関して悩みがある場合も気軽に相談できます。
児童相談所
児童相談所の対象は、0~17歳の子どもです。育児はもちろん、お子さまの健康や発達に関する相談にも対応しています。児童相談所に対する相談は、基本的に予約制となっています。そのため、発音について相談したいときは、あらかじめ申し込みが必要です。
※参考:
まとめ
赤ちゃんが喃語を発する時期は、それぞれ個人差があります。最初にクーイングから始まり、少しずつ喃語が出てくるようになるでしょう。次第に身振り手振りを交えるようになり、一語文や二語文も話すようになります。
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