モンテッソーリ教育流イヤイヤ期の子どもへの接し方|やってはいけない対応も解説
モンテッソーリ教育は、子どもの自己教育力を引き出す教育法です。日常の育児に取り入れることで、お子さまの自立を促したり個性を伸ばしたりできます。また、お子さまのイヤイヤ期にも、モンテッソーリ教育に基づいた適切な接し方があります。
本記事では、イヤイヤ期のお子さまへのモンテッソーリ教育に基づいた接し方や、その際にやってはいけないことを解説します。イヤイヤ期のお子さまへの対応の具体例についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
モンテッソーリ教育に関する基礎知識
まず、モンテッソーリ教育がどのような教育法であるかを解説します。
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育とは、イタリアの医師兼教育家のマリア・モンテッソーリが考え出した教育法です。
モンテッソーリ教育には、100年以上の歴史があり、現在も世界中で取り入れられています。日本でも、モンテッソーリ教育に基づいた取り組みを実践している幼稚園や保育園があります。
モンテッソーリ教育においての保護者の役割
モンテッソーリ教育は、子どもには、自ら学び自身を成長させる力(=自己教育力)があることを前提としています。そして、その自己教育力を最大限に引き出すためには、発達に見合った環境が必要です。
そのため、モンテッソーリ教育では、教育の主体は子どもで、保護者は自己教育力を最大限に引き出せるように環境を整えることが大切という考え方をします。
モンテッソーリ教育の具体的な内容
モンテッソーリ教育は、自己教育力を発揮させる「5つの教育分野」をもとに、子どもの発達や興味に合わせて必要な教育をします。
- 日常生活の練習:人格形成をサポートし、自立や適応力を促す
- 感覚教育:五感を鍛え、感覚器官の発達を促す
- 言語教育:話す・書く・読むを通して言語を習得する
- 算数教育:数に触れながら、数的概念を身につける
- 文化教育:美術や音楽など五感で感じられる分野に触れ、興味や関心を伸ばす
モンテッソーリ教育のメリット
モンテッソーリ教育は多くのメリットがありますが、主に次のようなものが挙げられます。
- 子どもの自立が促される
- 子どもの個性が伸びる
- 社会性が身につく
- 物事に対して、積極的に行動できるようになる
- 集中力が養われる
イヤイヤ期に関する基礎知識
多くの親子が直面するイヤイヤ期とはどのようなものなのでしょうか。
イヤイヤ期とは
イヤイヤ期とは、子どもの自己主張が強くなり自身の意思を通そうとする時期で第一次反抗期とも呼ばれます。イヤイヤ期の子どもには、日常的な場面で、物事を拒否したり反抗したりする行動が見られます。
イヤイヤ期の具体的な時期
一般的に、イヤイヤ期は1歳後半から始まるといわれています。また、イヤイヤ期の別名が「魔の2歳児」と言われるように、2歳前後にピークを迎えます。
イヤイヤ期は、子どもによって個人差がありますが、3歳頃になると落ち着きはじめ、4歳頃には終わる場合が多いでしょう。
モンテッソーリ教育におけるイヤイヤ期は子どもが自己成長するための時期
モンテッソーリ教育では、イヤイヤ期の子どもは、身の回りや世界について把握しようとしていると考えます。
身の回りや世界について知る過程で、子どもは戸惑いを感じたり不安になったりと、精神的に不安定になることが増えます。
イヤイヤ期は、ただ癇癪を起こしているわけではありません。子どもが自身の周囲について理解し、自己成長するために行動したり、我慢を覚えたりしている表れであることを知っておきましょう。
モンテッソーリ教育流イヤイヤ期の子どもへの接し方
イヤイヤ期の子どもへの接し方を、モンテッソーリ教育に基づいて解説します。
普段と同じ環境を用意してあげる
モンテッソーリ教育においてイヤイヤ期は、「秩序の敏感期」とも呼ばれています。この時期の子どもは、普段と同じであることにこだわりを見せる点が特徴的です。
知らないことだらけの世界でも、同じ場所で同じことを繰り返していれば、失敗する可能性は減るでしょう。そのため、知らないことだらけの環境のなかで安心を求めて、イヤイヤ期の子どもは普段と同じ物事にこだわります。反対に、物事が普段と違うと、拒否したり反抗したりしてしまいます。
保護者は、イヤイヤ期特有のこだわりを理解し、子どもにとって普段と同じ環境を用意してあげましょう。
子どもの感情を受け止めて代弁してあげる
イヤイヤ期の年頃は、まだ上手にしゃべれないため、言葉による意思疎通が難しい場合もあります。また、相手に自分の思いが伝わらないことで、不機嫌になってしまうこともあります。
このような場合、保護者は子どもが嫌がる気持ちを受け止めて、その気持ちを代弁してあげるようにしましょう。なぜ嫌だと感じたのかを代弁してあげることで、子どもを落ち着かせられます。
子どもの意思で物事を決めさせてあげる
イヤイヤ期の子どもには、自身の意思を示したいという欲求が強く表れます。そのため、日常生活のなかで、物事を子ども自身で選択する機会を与えることが重要です。自分で選択できることで、子どもは満足感を得られます。
例えば、靴や服を子ども自身に選ばせたり、食べる食べないの選択をさせたりするなど、日常のなかでのささいなことを選択させてあげるとよいでしょう。
やって良いことと悪いことの線引きを伝える
イヤイヤ期であっても、やって良いことと悪いことの線引きは必要です。また、その線引きを、子どもと共有する必要があります。線引きをする際は、一貫性がある基準を持つとよいでしょう。
許容できる部分は見守りますが、危険なことや悪いことをした際は、いつでも毅然とした態度で注意するようにしてください。
イヤイヤ期の子どもへやってはいけないこと
次のことは、イヤイヤ期の子どもにやらないように心がけましょう。
頭ごなしに否定する
やってはいけないことや、やめてほしいことがあっても、頭ごなしに否定してはいけません。自分がやろうとしていることや主張を頭ごなしに否定されてしまうと、子どもは意見を言ったり積極的に行動したりしなくなってしまいます。
まずは保護者が子どもにお手本を見せて、してはいけない理由を優しく説明するようにしましょう。
感情的に叱る
イヤイヤ期の子どもと接していると、大声を出して感情的に叱りたくなる場面もあるでしょう。しかし、恐怖の感情を与えても良い効果は生まれません。
感情的に叱られた経験は嫌な記憶になって残ってしまいます。嫌な記憶が増幅されて子どものトラウマになったり、できていたことができなくなったりする恐れもあります。
分かりにくい言葉で注意する
「いい加減にしなさい」といった曖昧な言葉での注意は、子どもが理解しづらいため、避けるようにしましょう。同様に、複雑な言葉や抽象的な表現も、子どもが困惑してしまいます。
子どもに注意する際は、できるだけ具体的かつ明確な言葉で伝えるようにしてください。
子どもから離れる
イヤイヤ期の子どもに対する自身のイライラを落ち着かせるためや、子どもに冷静になってもらうためにその場から離れる場合にも注意が必要です。目の前から保護者がいなくなることで、子どもは保護者に見捨てられたと感じ、心理的に不安定になってしまう恐れがあるためです。
子どもとの距離を取る場合は、部屋から出ていくのではなくあくまでも子どものそばにいて、落ち着くまで見守るようにしましょう。
イヤイヤ期の子どもへの対応方法
イヤイヤ期の子どもがやりがちな行動例をもとに、対応方法を解説します。
ご飯を投げたり遊んだりする
子どもがご飯で遊びだした場合は、食事を切り上げるようにしましょう。もし片付けたあとにご飯を食べたいと要求してきた場合には、ご飯で遊ばないように約束してから、食事を再開します。
また、家の中の対策として、床にビニールシートを敷いたり散らばりにくい料理を食べさせたりするのもおすすめです。
ご飯を食べない
ご飯の時間になっても、遊びに夢中でご飯を食べない場合は、まず一度声をかけます。それでも食べない場合は、食事を中止してください。このアクションによって、食事はいつでも食べられるものではなく、決まった時間に食べるものであるということを伝えます。
その他にも、食事の時間は何分まで、離席したら食事は終わりなど、食事のルールを決めておくのもよいでしょう。
寝ようとしない
子どもが就寝時間になっても、何かに夢中で寝ようとしない場合、電気を消して保護者も一緒に寝てしまいましょう。寝かせる際に、「明日起きたら、今日できなかったことをしよう」と約束することも効果的です。
子どものイヤイヤ期は抱え込まずに誰かを頼ろう
イヤイヤ期の子どもと接していると、正しい接し方を知っていてもうまくいかず、疲れてしまうことがあります。そうした場合は、1人で抱え込まないようにして、地域の相談窓口や病院で話を聞いてもらいましょう。
子育てサロンや児童館、オンラインの子育てコミュニティなど、自分が気軽に相談できるところに頼るのがおすすめです。
まとめ
モンテッソーリ教育では、子どもには自ら学び、自身を成長させる力があるとされています。そのため、保護者は、発達に見合った環境づくりによって、子どもの自己教育力を最大限に引き出すサポートをすることが求められます。イヤイヤ期も子どもの気持ちを尊重しながら、近くで見守り、感情を代弁して接していきましょう。
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